12月3日(水)
この日は兵庫教育大学へ行ってきました。何しに?それは授業です。教わる側?ノーノー、教える側。つまりもひとつのビッグイベントは先生になることだったのです。
細かく言うと、兵庫教育大学大学院の講義の講師。日本の文化のひとつとして落語を紹介してきました。今までは師匠の助手としてこの授業には参加してましたが、メインになるのは初めて。一応肩書きとしては「兵庫教育大学 非常勤講師」となるのかな?
時間は3時間(90分×2)の集中講義。いつもの師匠のパターンに倣って、前半90分は落語の歴史と寄席の解説、後半90分は落語解説と実演です。 喋ることはちゃんと理解しているし、前もって師匠と相談していたこともあって内容には問題なかったのですが、この3時間を配分よく喋らないと余ったり足りなかったりする恐れがあるので、勉強会終わった明くる日は一日かけて資料作りをしてました。
人に教えるためには自分が分かっていないといけないわけで、そのために勉強をするということが必要になるわけです。それぞれの知識は師匠に教えてもらったり、自分で見聞きしたりして分かってはいましたが、それを整理する機会ってなかなかなかったので改めてまとめてみたら、意外と面白い発見があるものですね。「あ、この時期同時にこんなことがあったんだ。」とか「これを始めるのって思い切ったことだよな。」とか。
これを自己満足で終わらせていたんではあきません。受講生の方々に伝えてはじめて仕事になるわけですが、これが意外と大変!落語会と違って笑いに来ているというわけではなく勉強に来ているので(当たり前ですが)いかに親切にわかりやすく、そして飽きさせずに解説するかを色々シミュレーション。こんなに前もって予習したの初めて!っていうくらい頭使いました(^_^;)
キャンパスは兵庫県加東市にありますので、まずは実家から車を借りて出発。ひたすら下道を使って一時間。山を飛び谷を越えー、加東のまちにやってきたー。あいそめさんがやってきたー♫
とても大きなキャンパスの一角のなんたら棟に行って手続きをすませ、かんたら棟の一室で授業開始。受講者は約10名ほどで、大学院の授業なので幅広い年齢層の方々でした。
まず前半90分は私服のまま、真面目に説明しながら、時折ダジャレを挟みながら進行して終了。そして後半90分は着物に着替えて所作の説明などをしながら解説、そして「子ほめ」をやりまして、最後は質問コーナーにしてお開きとしました。
そんなこんなで一日先生になってみて分かったのは「教えると言うのは非常に難しい」っということ。授業は落語と違ってすぐに「why?」が飛んできます。この時にとっさに答えるために相当量の知識を詰め込んでおかないといけないですし、また「今の質問のポイントと答えるべきポイント」をとっさに合致させないといけません。もちろん落語の時でもお客さんの顔を見て判断しながらってなことはやったりしますが、そんなんとは次元が違います(^_^;)拙いながらも一生懸命やらせてもらったつもりですが、ちゃんと分かってもらえたかな?まぁこれで落語に興味を持ってくれた人が一人でもいたら落語家冥利に尽きますね。
師匠が「人に教えると言うとことが一番難しい。落語の稽古を付けることが自分にとっても稽古になる。」っとおっしゃっていたことがなんとなくわかった、そんな気がした一日でした。
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さぁ終わったおわったっと思っていたのもつかの間、次のお仕事に向けてぼちぼち準備をせなアカンころになってました。人生で初めての海外への出発が近づいてきました。
てなわけでまだ続きます。写真がございません。
P.S.この日の実演で小拍子を叩いたら、どうやら器用に指を挟んだみたいで、指がちょっと腫れてました…じきに治りましたが、噺家なって6年目なのに小拍子で指挟んだのはじめて。あぁ恥ずかしや…(@_@)
人様に教えると、自分ではわかったと思っていたことも掘り下げて考える機会になりますね。
先輩の指導員を改めて「すごいな」と感じます。