三代目林家菊丸の誕生日

さる9月27日(土)、染弥改メ三代目林家菊丸襲名披露公演が行われました。その時のことをちょこっとドキュメンタリータッチにご紹介。ほんとにちょこっとね。

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前日リハのとき、明日からの自分の名前「菊丸」に対面する染弥兄さん。

前日は劇場リハがありましたが、劇場の都合により夜10時よりリハーサルスタート。眠たい目をこすりながら、染弥兄さんにわたくし愛染、よしもとの社員さん数人が立ち会う中、念入りに舞台チェックや当日の流れを確認。どんな感じかというと「どうですかー?」「オッケーでーす!」の繰り返し(笑)でもちゃんといろいろ打ち合わせしながら、12時過ぎにお開き。もちろん終電がなくなった染弥兄さんをお家までお送りして、帰宅したのが午前2時ぐらい。私は寝たらしまいですが、お兄さんはその後もチケット割り当てとか、準備とかでさらに遅くまで起きてたみたい。大変ですなぁ。

いよいよ当日。雲ひとつないええ天気の中、夕方に会場入り。舞台設営→音チェックを済ませて開場しました。その頃楽屋の方では、お兄さんをお祝いにきたお客様や手伝いに来られた噺家、さらには多数のよしもとの社員さんなどでごった返してたみたいです。私は鳴り物だったのでお囃子のおっ師匠はんと流れを確認しながら、基本的には舞台袖にスタンバイ。それでも皆になんとも言えない緊張感が漂っていたのはよーくわかりました。わたし?いつも通りニコニコしてました♪

時間がやってきていよいよ開演。順調に前半の番組が進んでいき、中入り休憩となりました。いよいよこの後は口上。そんな休憩中、お客様には見えていなかったですが、舞台上では記念撮影大会が行われてました(笑)。そしてみんなの気が済んだところで・・・もとい、準備ができたところでシャギリ。そして、片シャギリが鳴り響くなか、(ちょっと遅れて)幕が上がり切り、お客様の万雷の拍手に迎えられて三代目林家菊丸が誕生いたしました!115年ぶりの復活になる歴史的瞬間!感激!!っとちょっとうるうるしていたら、舞台袖では多数の噺家がモニター画面を携帯でカシャカシャ!みなさんようけ写真撮りますな(^_^;)

爆笑口上が終わった後は、中田カウス・ボタン師の漫才。そしていよいよ、菊丸兄の出番です。このときのことをちょっと詳しく・・・
舞台転換が必要なこともあり、漫才終わりでは受囃子という種類の曲を弾いてつなぎ、それが終わったところでいよいよ菊丸兄の新しい出囃子「本調子よろいづけ」を演奏するのですが、この時の受囃子→出囃子になるときにあった一瞬の間、ここがとても緊張したし、そしてこの間がとてもかっこよかった!出囃子叩くときにあんなに間を意識したことないっていうくらいこの間がすごかったです。劇場に詰めかけてくださった900人近くのお客さん、舞台袖にたくさんいてる関係者全員、それらの方々の目と耳がこっちに向けられている、そんな気配がひしひしっと伝わってきた。そういう感じかな?
ともかく個人的にはとてもプレッシャー感じながら叩いていた出囃子に乗って菊丸兄が登場。すっごい拍手で迎えられながら、新しい紋「乱菊」の紋付に身をまとった兄さんが舞台中央の座布団にすわり、はなし始めたネタが「子は鎹」。抽象的ですが、めっちゃカッコよかった!お兄さんスゴイっす(*^_^*)

いろんな思いが詰まったネタを熱演すること30分ぐらい。サゲを言って柝が入って、とうとう終演。ええ会やったぁ~っと思いながらバレ太鼓をたたいていましたら、舞台上のお兄さんが制止してきました。「何事?」っと思ってたら(と言っても打ち合わせ通りだけどね)、ここでお兄さんがお客様に向けて、感謝の言葉と、そして滅多に語ることない自分の生い立ちを話始めました。
どんなのかは内緒ですが、とてもええ話で涙なしには聞けないエピソード。皆を感動させて、そして最後にお兄さんが放った一言!

「ここまでこれたのも皆様のおかげです!これからも三代目林家染弥・・・あぁ・・・」


そんなこんなで誕生した菊丸兄さん。本人も間違えるぐらい(笑)ですから、我々もまだまだうっかりと間違えそうになります。先日もお会いした時「あ、そm・・・菊丸兄さん、おはようございます。」ってな感じ。気をつけないと(^_^;)

これからも各地で襲名のお披露目に伺います。僕もたまーに出させてもらうので、よかったらコマメにチェックのほど、よろしくおねがいいたします。そして最後に、菊丸兄さん、おめでとうございました!

 

P.S.襲名披露翌日、太鼓をたたきすぎたのか、腕が筋肉痛になってました。

 

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